Remote Config パーソナライズは Google Analytics イベント向けに最適化されているため、有意義なパラメータが設定されるイベントをトリガーできれば、それに向けたパーソナライズを作成できます。
最も有用な結果を得るには、適切なイベントを選択する必要があります。適切なイベントとは、いくつかの値の中からいずれかの値が設定されるようなイベントであり、それが頻繁にトリガーされ、その値によって結果に大きな違いを生み出すと想定されるイベントです。パーソナライズでは、10,000 人以上のユーザーがいて、1 週間あたり 1,000 件を超えるイベント(またはコンバージョン)がトリガーされると、良好な結果を得ることができます。
以下に、アプリをパーソナライズする方法をいくつか紹介します。
広告のインプレッション収入のための最適化
パーソナライズの用途の 1 つとして、広告のインプレッション収入を最適化するという目的があります。このユースケースでは、あるゲームを運営しているとします。そのゲームの中にはオプションのミニゲームがあり、ユーザーがそのミニゲームにアクセスするにはページ全体に表示される広告を見る必要があります。このミニゲームの体験をユーザーごとに最適化し、ユーザー エンゲージメントに影響を与えずに広告収入を最大化したいと考えています。
以下はそれを実現する方法の一例です。
ゲーム内で、使用する広告プロバイダに固有の
ad_impression
イベントについて、カスタム イベント ロギングを実装します。このイベントにはcurrency
パラメータとvalue
パラメータを含めるようにし、value パラメータで収入が報告されるようにします。広告収入を測定するでは、AdMob を使用して ad_impression イベントを自動的にロギングする方法を説明しています。また、AppLovin、ironSource などの他の広告配信プラットフォームを利用する実装例もいくつか紹介しています。
使用する Remote Config パラメータと代替値を決定し、ゲーム内のロジックでそれらの値を処理できるようにします。
この例では、Remote Config パラメータをフィーチャー トグルとして実装し、このトグルによって複数の異なるミニゲームを有効にします。これを行うには、Remote Config ページを開き、[パラメータを追加] をクリックします。Remote Config パラメータに
minigame
という名前を付け、デフォルト値としてno_game
を指定します。次に、[新たに追加] をクリックし、[パーソナライズ] を選択して、パーソナライズを追加します。
最大 5 つの代替値を追加し、[次へ] をクリックします。
このミニゲームの例では、
tictactoe
、word_scramble
、race
を使用します。次に、目標を選択します。収入値を含む広告インプレッション イベントをロギングすることになるため、[広告のインプレッション] を目標として選択し、[合計] を選択します。集計するパラメータとして [値] を選択し、追加の追跡指標として [ユーザー エンゲージメント時間] を選択します。これにより、パーソナライズの結果の中でユーザー エンゲージメント時間の比較結果を参照できるようになります。
もし関心があれば、カスタム指標としてもう 1 つのイベントを選択することもできます。
[次へ] をクリックして、ターゲット条件を選択します。広告インプレッション収入の集計値に基づいて最適化を行うため、イベントの収入値が 1 つの通貨に換算されていない場合は、ユーザーの地域に基づく条件を作成して、整合性を向上させることができます。
[次へ] をクリックしてパーソナライズに名前を付け、[保存] をクリックします。
[変更を公開] をクリックしてパーソナライズを開始します。ユーザーは(Remote Config のフェッチ間隔に応じて)数時間以内にパーソナライズされたパラメータ値を受け取るようになります。1 人のユーザーに 1 つの値を適用する時間(固定ウィンドウ)は 24 時間であるため、継続的に学習と改善を行って各ユーザーに最適なエクスペリエンスを提供できるようにするには、パーソナライズを 14 日間(または永続的に)続けることをおすすめします。
[Remote Config] ページでパラメータのターゲティング条件をクリックすると、パーソナライズのパフォーマンスを確認できます。
これでパーソナライズの作成方法を学びました。次は、他のユースケースや、実装に使用できるオプションについて説明します。
ユーザーごとに最適な広告プレースメントを選択する
特定の広告フォーム ファクタまたは特定の場所に広告が表示されたとき、そのレスポンスはユーザーによって異なります。このユースケースでは、ad_placement
などの Remote Config パラメータと、場所に関する複数の値を使用し、広告クリック数を高めるための最適化を行います。
ad_clicks
に向けて最適化を行う際には、ユーザー エンゲージメントのレベルを追跡して、それを高い状態に維持できるよう、追加指標として user_engagement
を構成するのがよい場合があります。
パーソナライズ コンポーネント | 推奨される値の例 |
---|---|
Remote Configパラメータ | ad_placement
|
代替値 | top-left, bottom, middle-panel, full-screen
|
目標 | ad_clicks
|
追加の指標 | user_engagement
|
広告の頻度に関する最適化
このユースケースでは、広告の頻度に関する最適化を行います。最適化の目標はユーザー エンゲージメントであり、ユーザー エンゲージメントが高くなるように広告の頻度を決定します。追跡する追加の指標として ad_click
を使用します。
パーソナライズ コンポーネント | 推奨される値の例 |
---|---|
Remote Configパラメータ | ad_display_freq_in_min
|
代替値 | 2, 10, 50
|
目標 | user_engagement
|
追加の指標 | ad_click
|
ユーザー エンゲージメントを最大化するための適切な難易度を判断する
このユースケースでは、ユーザーごとにアプリをカスタマイズして、プレーヤー スキルのレベルがそれぞれ異なる個々のユーザーに十分にエンゲージメントしてもらうための適切な難易度を選択します。level_difficulty
を Remote Config パラメータとして使用し、目標としてユーザー エンゲージメントを使用します。他にも関心のある指標を追加します。この例では、level_complete
を使用して、ユーザーがゲームをどのように進めているかに関する情報を収集します。
広告のインプレッション収入のための最適化で構成したように、広告インプレッション収入の目標を使用することもできます。または、in_app_purchase
を使用して、アプリ内購入を目標として最適化することもできます。
パーソナライズ コンポーネント | 推奨される値の例 |
---|---|
Remote Configパラメータ | level_difficulty
|
代替値 | easy, medium, difficult, impossible
|
目標 | user_engagement
|
追加の指標 | level_complete
|