Apple クライアント アプリの場合、Firebase Cloud Messaging APNs インターフェースを介して最大 4,096 バイトの通知とデータ ペイロードを受信できます。
Objective-C または Swift でクライアント コードを記述するには、FIRMessaging API を使用することをおすすめします。クイックスタート サンプルでは両方の言語のサンプルコードをご覧いただけます。
Firebase Cloud Messaging でのメソッドの実装入れ替え
FCM SDK は、FCM 登録トークンに対する APNs トークンのマッピングと、ダウンストリーム メッセージのコールバック処理中のアナリティクス データの取得という 2 つの主要領域で、メソッドの実装入れ替えを行います。入れ替えを使用しない場合、アプリの Info.plist ファイルにフラグ FirebaseAppDelegateProxyEnabled
を追加し、これを NO(ブール値)に設定することによって、入れ替えを無効にできます。このガイドの関連領域には、メソッドの実装入れ替えを有効にした場合としない場合の両方のサンプルコードが記されています。
Firebase を Apple プロジェクトに追加する
まだ追加していない場合は、Apple プロジェクトに Firebase を追加します。
APNs 認証キーをアップロードする
APNs 認証キーを Firebase にアップロードします。まだ APNs 認証キーを用意していない場合は、Apple Developer Member Center で作成してください。
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Firebase コンソールのプロジェクト内で歯車アイコンを選択し、[プロジェクトの設定]、[Cloud Messaging] タブの順に選択します。
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[iOS アプリの構成] の下の [APNs 認証キー] で [アップロード] ボタンをクリックします。
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キーを保存した場所に移動し、キーを選択して [開く] をクリックします。キーのキー ID(Apple Developer Member Center で確認できます)を追加し、[アップロード] をクリックします。
リモート通知に登録する
起動時またはアプリケーション フローの必要な時点で、リモート通知にアプリを登録します。registerForRemoteNotifications
を次のように呼び出します。
Swift
UNUserNotificationCenter.current().delegate = self let authOptions: UNAuthorizationOptions = [.alert, .badge, .sound] UNUserNotificationCenter.current().requestAuthorization( options: authOptions, completionHandler: { _, _ in } ) application.registerForRemoteNotifications()
Objective-C
[UNUserNotificationCenter currentNotificationCenter].delegate = self; UNAuthorizationOptions authOptions = UNAuthorizationOptionAlert | UNAuthorizationOptionSound | UNAuthorizationOptionBadge; [[UNUserNotificationCenter currentNotificationCenter] requestAuthorizationWithOptions:authOptions completionHandler:^(BOOL granted, NSError * _Nullable error) { // ... }]; [application registerForRemoteNotifications];
登録トークンにアクセスする
デフォルトでは、FCM SDK はアプリの起動時にクライアント アプリのインスタンスの登録トークンを生成します。APNs デバイス トークンの場合と同様に、このトークンを使用すると、ターゲットとする通知をアプリの特定のインスタンスに送信できます。
Apple プラットフォームが通常、アプリ起動時に APNs デバイス トークンを配信するのと同じ方法で、FCM は FIRMessagingDelegate
の messaging:didReceiveRegistrationToken:
メソッドによって登録トークンを提供します。FCM SDK は、アプリの初期起動時ならびにトークンが更新または無効化されるたびに、新規または既存のトークンを取得します。いずれの場合も、FCM SDK は有効なトークンを使用して messaging:didReceiveRegistrationToken:
を呼び出します。
登録トークンは次のような場合に変更されることがあります。
- アプリを新しいデバイスで復元した場合
- ユーザーがアプリをアンインストール / 再インストールした場合
- ユーザーがアプリのデータを消去する場合
メッセージング デリゲートを設定する
登録トークンを受信するには、メッセージング デリゲート プロトコルを実装し、[FIRApp configure]
の呼び出し後に FIRMessaging
の delegate
プロパティを設定します。たとえば、アプリケーション デリゲートがメッセージング デリゲート プロトコルに準拠している場合は、application:didFinishLaunchingWithOptions:
のデリゲートをそれ自体に設定できます。
Swift
Messaging.messaging().delegate = self
Objective-C
[FIRMessaging messaging].delegate = self;
現在の登録トークンを取得する
登録トークンは、メソッド messaging:didReceiveRegistrationToken:
を使用して配信されます。このメソッドは通常、登録トークンを使用してアプリが起動するごとに 1 回ずつ呼び出されます。このメソッドが呼び出されるタイミングで、以下を実行できます。
- 登録トークンが新規の場合、そのトークンをアプリケーション サーバーに送信します。
- 登録トークンをトピックにサブスクライブします。これは新規サブスクリプションの場合、またはユーザーがアプリを再インストールした場合にのみ必要です。
token(completion:) を使用して直接トークンを取得できます。なんらかの形でトークンの取得に失敗すると、null 以外のエラーが返されます。
Swift
Messaging.messaging().token { token, error in if let error = error { print("Error fetching FCM registration token: \(error)") } else if let token = token { print("FCM registration token: \(token)") self.fcmRegTokenMessage.text = "Remote FCM registration token: \(token)" } }
Objective-C
[[FIRMessaging messaging] tokenWithCompletion:^(NSString *token, NSError *error) { if (error != nil) { NSLog(@"Error getting FCM registration token: %@", error); } else { NSLog(@"FCM registration token: %@", token); self.fcmRegTokenMessage.text = token; } }];
このメソッドを使用することで、トークンを保管せずに、いつでもトークンにアクセスできます。
トークン更新のモニタリング
トークンが更新されるたびに通知を受けるには、メッセージング デリゲート プロトコルに準拠するデリゲートを指定します。次の例では、デリゲートを登録し、適切なデリゲート メソッドを追加します。
Swift
func messaging(_ messaging: Messaging, didReceiveRegistrationToken fcmToken: String?) { print("Firebase registration token: \(String(describing: fcmToken))") let dataDict: [String: String] = ["token": fcmToken ?? ""] NotificationCenter.default.post( name: Notification.Name("FCMToken"), object: nil, userInfo: dataDict ) // TODO: If necessary send token to application server. // Note: This callback is fired at each app startup and whenever a new token is generated. }
Objective-C
- (void)messaging:(FIRMessaging *)messaging didReceiveRegistrationToken:(NSString *)fcmToken { NSLog(@"FCM registration token: %@", fcmToken); // Notify about received token. NSDictionary *dataDict = [NSDictionary dictionaryWithObject:fcmToken forKey:@"token"]; [[NSNotificationCenter defaultCenter] postNotificationName: @"FCMToken" object:nil userInfo:dataDict]; // TODO: If necessary send token to application server. // Note: This callback is fired at each app startup and whenever a new token is generated. }
別の方法として、デリゲート メソッドを提供する代わりに、kFIRMessagingRegistrationTokenRefreshNotification
という名前の NSNotification
をリッスンできます。トークン プロパティの値は常に現在のトークン値です。
実装入れ替えが無効な場合の APNs トークンと登録トークンとのマッピング
メソッドの実装入れ替えを無効にした場合や、SwiftUI アプリを作成している場合は、明示的に APNs トークンを FCM 登録トークンにマッピングする必要があります。application(_:didRegisterForRemoteNotificationsWithDeviceToken:)
メソッドを実装して APNs トークンを取得し、Messaging
の apnsToken
プロパティを設定します。
Swift
func application(application: UIApplication, didRegisterForRemoteNotificationsWithDeviceToken deviceToken: Data) { Messaging.messaging().apnsToken = deviceToken }
Objective-C
// With "FirebaseAppDelegateProxyEnabled": NO - (void)application:(UIApplication *)application didRegisterForRemoteNotificationsWithDeviceToken:(NSData *)deviceToken { [FIRMessaging messaging].APNSToken = deviceToken; }
FCM 登録トークンが生成されると、実装入れ替えを有効にしたときと同じメソッドを使用してトークンにアクセスし、更新イベントをリッスンできます。
自動初期化を禁止する
FCM 登録トークンが生成されると、ライブラリによりその ID と構成データが Firebase にアップロードされます。はじめにユーザーから明示的にオプトインする場合は、構成時に FCM を無効にしてトークンの生成を禁止できます。禁止するには、(GoogleService-Info.plist
ではなく)Info.plist
にメタデータ値を追加します。
FirebaseMessagingAutoInitEnabled = NO
FCM をもう一度有効にするには、ランタイム コールを実行します。
Swift
Messaging.messaging().autoInitEnabled = true
Objective-C
[FIRMessaging messaging].autoInitEnabled = YES;
この値をいったん設定すると、アプリを再起動しても維持されます。
次のステップ
Apple クライアントの設定を行うと、メッセージ処理やその他の高度な動作をアプリに追加できるようになります。詳細については、以下のガイドをご覧ください。