Remote Config のパーソナライズを使用すると、各ユーザー向けに Remote Config パラメータを自動的に選択して、目標に向けた最適化を行うことができます。パラメータのパーソナライズは、自動化され、個別化され、継続的に改善される、永久的な A/B テストを行うようなものです。
Remote Config のパーソナライズをアプリで使用すると、複数のユーザー エクスペリエンスの選択肢の中からいずれか 1 つをユーザーに自動的に提供することで、個々のユーザーに対してエンゲージメントが高いエクスペリエンスが作成されます。選んだ目標の最適化に向けて選択肢が提供されます。Remote Config ターゲティング条件を使用して、特定のユーザー グループを、パーソナライズされた Remote Config パラメータのターゲットに設定できます。
Google Analytics を使用して、測定可能な任意の目標に向けて最適化を行うことができます。また、イベント数やイベント パラメータの集計値(合計)によって最適化を行うこともできます。次の組み込みの指標が含まれています。
- ユーザー エンゲージメント時間(ユーザー エンゲージメント時間による最適化)
- 広告クリック(広告クリック イベントの合計数による最適化)
- 広告のインプレッション(広告のインプレッション数による最適化)
または、Analytics イベントに基づいてカスタム指標を最適化することもできます。これには次のようなものがあります。
- Play ストアまたは App Store での評価の送信
- ユーザーによる特定のタスクの成功(ゲームでのレベル到達など)
- アプリ内購入イベント
- e コマース イベント(カートへの商品の追加、購入手続きの開始や完了など)
- アプリ内購入と広告収入
- 仮想通貨の使用
- リンクとコンテンツの共有とソーシャル ネットワークのアクティビティ
考えられるパーソナライズ ユースケースの詳細については、Remote Config のパーソナライズでできることをご覧ください。
仕組み
パーソナライズでは、機械学習を使用して各ユーザーに最適なエクスペリエンスを決定します。このアルゴリズムでは、さまざまなタイプのユーザーにとって最適なエクスペリエンスを知ることと、その知識を活用して目標の指標の最大化を行うことの間のトレードオフを効率的に行います。パーソナライズの結果は、ユーザーのホールドアウト グループと自動的に比較されます。このグループのユーザーは、指定した選択肢からランダムに選ばれたエクスペリエンスを一貫して使用します。この比較によって、パーソナライズ システムでどの程度の「リフト」(値の上昇)が生成されたかが示されます。
Remote Config のパーソナライズのアルゴリズムとコンセプトの詳細については、Remote Config のパーソナライズについてをご覧ください。
実装パス
- あるユーザーにとっては最適だが、他のユーザーにはそうではないと思われる複数のユーザー エクスペリエンスの選択肢を実装します。
- Remote Config パラメータを使用して、これらの選択肢をリモートで構成できるようにします。Remote Config を使ってみると Remote Config の読み込み方法をご覧ください。
- パラメータのパーソナライズを有効にします。Remote Config は、ユーザーごとに最適なエクスペリエンスを割り当てます。スタートガイドをご覧ください。
パーソナライズと A/B テスト
A/B テストは、最適なパフォーマンスを発揮するユーザー エクスペリエンスを 1 つだけ特定することを目的にしています。パーソナライズは、ユーザーごとに最適なユーザー エクスペリエンスを動的に選択することで、目標の最大化を目指します。パーソナライズは多くの問題で最良の結果を生成しますが、A/B テストにも独自の有用性があります。
パーソナライズが適している場合 | A/B テストが適している場合 |
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各ユーザーが、パーソナライズされたユーザー エクスペリエンスのメリットを享受できる場合 | すべてのユーザーまたは特定のユーザーのサブセット向けの 1 つの最適なエクスペリエンスを求める場合 |
パーソナライズ モデルを継続的に最適化する場合 | 特定の期間内にテストを行う場合 |
最適化の目標を、アナリティクス イベントの加重合計としてシンプルに表すことができる場合 | 最適化の目標を設定する際に、複数の競合する指標について慎重に評価する必要がある場合 |
トレードオフにかかわらず目標に対して最適化したい場合 | あるバリアントが別のバリアントと比較して統計的に有意な改善をもたらすかどうかをロールアウトの前に判断したい場合 |
結果を手動で確認する必要がない場合、または手動の確認を望まない場合 | 結果を手動で確認したい場合 |
たとえば、Play ストアでアプリの評価を入力するようにユーザーに促したときに、実際に評価を入力するユーザーの数を最大化したいと考えます。この数を左右する要因の 1 つにプロンプトの表示タイミングがあります。ユーザーがアプリを初めて起動したときに表示するのがいいでしょうか。または 2 回目、あるいは 3 回目の起動時に表示するのがいいでしょうか。それとも、特定のタスクを完了したときに表示するのがいいでしょうか。理想的なタイミングは個々のユーザーによって異なります。アプリをすぐに評価するユーザーもいれば、時間がかかるユーザーもいます。
評価の入力を促すタイミングの最適化は、パーソナライズの理想的なユースケースの一つです。
- 最適な設定はユーザーごとに異なることがある。
- 成功は Analytics を使用して簡単に測定できます。
- この UX の変更によるリスクは十分低いため、トレードオフを考慮したり、手動で確認したりする必要はありません。