App Distribution Gradle プラグインを使用すると、App Distribution を Android ビルドプロセスに統合できます。このプラグインを使用すると、アプリの build.gradle
ファイルでテスターとリリースノートを指定して、アプリのさまざまなビルドタイプやバリアントを配布できます。
始める前に
まだ Firebase を Android プロジェクトに追加していない場合は追加します。
他の Firebase プロダクトを使用していない場合は、プロジェクトを作成してアプリを登録するだけでかまいません。ただし、今後追加のプロダクトを使用する場合は、上記のリンク先のページの手順をすべて完了してください。
手順 1. Android プロジェクトを設定する
プロジェクト レベルの Gradle ファイル(通常は
android/build.gradle
)に、App Distribution プラグインをビルド スクリプトの依存関係として追加します。buildscript { repositories { // Check that you have Google's Maven repository (if not, add it). google() jcenter() } dependencies { // Add the App Distribution Gradle plugin classpath 'com.google.firebase:firebase-appdistribution-gradle:2.0.1' } }
アプリレベルの Gradle ファイル(通常は
android/app/build.gradle
)で、Android プラグインの下に App Distribution プラグインを含めます。apply plugin: 'com.android.application' // ... // Apply the App Distribution Gradle plugin apply plugin: 'com.google.firebase.appdistribution' // ...
企業のプロキシやファイアウォールの背後では、App Distribution が配布を Firebase にアップロードできるように、次の Java システム プロパティを追加します。
-Djavax.net.ssl.trustStore=/path/to/truststore -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=password
手順 2. Firebase で認証する
fastlane プラグインを使用する前に、Firebase プロジェクトで認証する必要があります。これには次の 3 つの方法があります。
手順 3. 配布プロパティを構成する
app/build.gradle
ファイル内にfirebaseAppDistribution
セクションを 1 つ以上追加して App Distribution を構成します。ビルドタイプとプロダクト フレーバーを通じて App Distribution を構成できます。たとえば、release
ビルドをテスターに配布するには、次のようにします。android { // ... buildTypes { release { firebaseAppDistribution { releaseNotesFile="/path/to/releasenotes.txt" testers="ali@example.com, bri@example.com, cal@example.com" } } } // ... }
また、「デモ版」と「完全版」のプロダクト フレーバーがあり、それらの
debug
ビルドとrelease
ビルドを配布するには、次のようにします。android { // ... buildTypes { debug {...} release {...} } flavorDimensions "version" productFlavors { demo { dimension "version" firebaseAppDistribution { releaseNotes="Release notes for demo version" testers="demo@testers.com" } } full { dimension "version" firebaseAppDistribution { releaseNotes="Release notes for full version" testers="full@testers.com" } } } // ... }
次のパラメータを使用して、配布を構成します。
App Distribution ビルド パラメータ | |
---|---|
appId
|
アプリの Firebase アプリ ID。Google サービスの Gradle プラグインがインストールされていない場合にのみ必須です。アプリ ID は、 appId="1:1234567890:android:321abc456def7890" |
serviceCredentialsFile
|
サービス アカウントの秘密鍵の JSON ファイルへのパス。サービス アカウント認証を使用する場合にのみ必要です。 |
apkPath
|
アップロードする APK ファイルの絶対パスまたは相対パス。指定しない場合、Gradle は APK 出力ディレクトリからファイルの場所を特定します。 |
releaseNotes または releaseNotesFile |
このビルドのリリースノート。 リリースノートを直接指定することも、書式なしテキスト ファイルのパスを指定することもできます。 |
testers または testersFile |
ビルドの配布先のテスターのメールアドレス。 テスターは、メールアドレスのカンマ区切りのリストとして指定できます。 testers="ali@example.com, bri@example.com, cal@example.com" メールアドレスのカンマ区切りリストを含むファイルへのパスを指定することもできます。 testersFile="/path/to/testers.txt" |
groups または groupsFile |
ビルドの配布先のテスター グループ(テスターを管理するをご覧ください)。グループは グループは、グループ エイリアスのカンマ区切りのリストとして指定できます。 groups="qa-team, android-testers" グループ エイリアスのカンマ区切りリストを含むファイルへのパスを指定することもできます。 groupsFile="/path/to/tester-groups.txt" |
stacktrace
|
ユーザー例外のスタックトレースを出力します。これは問題のデバッグに役立ちます。 |
手順 4. テスターにアプリを配布する
最後にテストアプリをパッケージ化し、テスターを招待します。プロジェクトの Gradle ラッパーを使用して assembleBUILD-VARIANT
と appDistributionUploadBUILD-VARIANT
のターゲットをビルドします。BUILD-VARIANT は、前の手順で構成したオプションのプロダクト フレーバーとビルドタイプです。プロダクト フレーバーの詳細については、ビルド バリアントの構成をご覧ください。
たとえば、release
ビルド バリアントを使用してアプリを配布するには、次のコマンドを実行します。
./gradlew assembleRelease appDistributionUploadRelease
または、Google アカウントで認証し、Gradle ビルドファイル内に認証情報を指定していない場合は、FIREBASE_TOKEN
変数を含めます。
export FIREBASE_TOKEN=1/a1b2c3d4e5f67890 ./gradlew --stop // Only needed for environment variable changes ./gradlew assembleRelease appDistributionUploadRelease
ビルドを配布すると、Firebase コンソールの App Distribution ダッシュボードで 150 日間(5 か月間)利用できます。ビルドが期限切れになる 30 日前に、テストデバイス上のテスターのビルドリストとコンソールの両方に有効期限のお知らせが表示されます。
アプリのテストに招待されていないテスターには、開始するための招待メールが届きます。既存のテスターには、新しいビルドのテスト準備ができていることを知らせるメールが届きます(テストアプリのインストール手順についてはテスターの設定ガイドをご覧ください)。Firebase コンソールで各テスターのステータス(招待を承諾したか、アプリをダウンロードしたか)を確認できます。